キリムの産地シラズ
イランの南部に位置するシラズでは、キリムやギャッベといった、遊牧民族的な敷物が昔から織られています。キリムやギャッベはもともと、彼らが自分たちの遊牧生活のために作っていた手織りの敷物です。
シラズはファルス州の中心都市で、イランの2500年にわたる歴史を代表する世界的に有名なベレセポリスがあります。それと同時にイランの中でも町づくりが進んだ都市で、シラズ市民のほとんどが良い教育を受け、イランの唯一の国際大学もこの街にあるためエリートも少なくありません。しかし、そのような近代的な側面とは反対に、有名なカシュカイ(Ghashghaee)民族も、この都市に昔から住み、いまだに昔ながらの遊牧生活を送っています。カシュカイ民族は冬はファルス州の南の暖かい地域に移動し、夏は北の方のエリアに移動します。そのような遊牧生活にテントは欠かせません。テントの生活にはそれなりの準備が必要ですが、ギャッベはそのようなカシュカイ民族の生活の中で欠かせない大切な役割を何世紀も担ってきました。
手織りキリムシラズ産地の見本